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師匠と弟子
まだ寄席通いを始めてすぐの頃、誰が誰の師匠で誰が誰の弟子かなんてことはほぼ知識ゼロ状態だった頃の話ですが。さん喬師匠を初めて聞いた時「ウヲッ、きょんの落語に似てるな〜お弟子さんかな〜?」と思ったことは…口が裂けても人に言えない私の最大のヒミツです…。いま言っちゃったけど。いや、アレですよね。フツーにさん喬師匠ときょんきょんを並べたら、白髪頭で目が死んでる方が師匠かな?と思うじゃないですか。予備知識がなければ!
冗談はさておいて、さん喬師匠ですヨ!なんかボーッとして掴み所の無い師匠。物腰柔らかなんだけど、あの開いてるんだか眠ってるんだかわからないか細い目の奥から絶対零度的な冷たい視線を実はこちらに送っていそうな師匠。ゴンさんと別の意味で(もしくは全く同じ意味で)高座おりたら笑顔が消えて素ではむちゃくちゃ怖そうな師匠。かと思いきや、2020年コロナ禍の中でほとんどお客のいないブクロの高座で「みなさまも自分の身体を労ってね」的なことをマクラで仰って、それが涙が出るほど嬉しかった!ありがとう師匠!の師匠。(だいたい世間で感染症が大流行してる時に寄席に来るのなんてロクな人間じゃないですから、そんな風に優しい言葉をかけられること自体それだけで感激モノなんであリンス!←最近はリンスって言わない、コンディショナーって言うんであリンス!)
Read More... ま、そんな風に(どんな風に?)「あっこの人たち似てるな!」と思う師弟ってたくさんおりますね!落語界に。ホントにほぼ師匠の話芸完コピでお前の個性はどこいった、と思う若手もいれば、キョンキョンのように師匠の落語の雰囲気を継承しつつそれを凄まじい個性(だかなんなんだか)で練り上げて普段はそんなことを感じさせない人もいる。
あ、今気づいたけどキョンの落語からはさん喬師匠を連想しないけど、さん喬師匠の落語からはキョンを連想するんですわ。面白い!他の人は弟子の落語を聞いて師匠を連想し、「やっぱ○○師匠のお弟子さんだねぇ」と思うんですけど。この師弟だけは、師匠の落語から弟子を連想して「やっぱキョンの師匠だねぇ」と。変なの…。
2018年9月16日(日)ブクロ
前座 市坊 道灌
喬の字 たらちね
さん助 代書屋
ニックス
圓十郎 饅頭怖い
さん福 五目講釈
アサダ先生
正朝 町内の若い衆
小燕枝 長短
笑組
小はん 親子酒
仲入り
さん若 お菊の皿
小のぶ 粗忽長屋
小菊
さん喬 船徳
ふへッ…(失笑)。この時そういえば、さん若さんの真打ち昇進寸前の席だったんですわ。で、まぁそのネタを織り込んだ喬の字さんの「たらちね」がクソ面白くてですなー。の字さんはフツーに落語やるとフツーの落語なんだけど、そーゆー身内ネタを入れると笑いが格段に上がる人なんだなぁ…と、後日ノジさんの真打ち昇進の時に実感する。これはまた別の話。
で、ノジさんがマクラで喋った「季節ものの落語は先取りする分には問題ないけど、遅れるのはみっともない」の例としてあげた「お菊の皿」を、食いつきで出てきたさん若さんがやってしまうというテイタラク。更に昇進前で舞い上がっていたのか、サゲにつながる大事なところで「相場は18枚」と言い間違えるというテイタラク…。この時の印象がこの後もずーっと引きずられて、友人との間でその後も「小平太さんて私たち聞いたことある?」「お菊の皿18枚の人」「ああ、あの」とゆー会話が繰り返されております。アハハ!
さん助さんの「代書屋」(だったのか別のモノだったのかよくわからない…)。ものすごいテンションでとてもついていけない!とゆー、完全に客席置いてかれた状態でした。さん助さんの落語はうまく波に乗っかれれば笑えるんだけど、うっかり乗り損ねると持ち時間ずっと置いてけぼり状態になってなかなかツライ。
正朝さん、落語はとても面白かったのでその後に盗撮事件を知って「チッ!ロクデナシか!」と笑ったことを後悔する。対応甘過ぎでしょ協会…。
さん喬師匠の「船徳」。この演目は以前別の師匠で聞いた時に「眠かった!」とゆー印象があったので、「四万六千日サマ、お暑い盛りで…」と始まった瞬間にヒィーッ!と思ったのですが…。いやあ、さん喬師匠は面白いですなやっぱ!お客の一人が川に入って「大丈夫浅い浅い…深いヨこりゃ!」ゆー場面が瞼の裏に焼き付いて今でも目を閉じれば「深いヨこりゃ!」です。
★当エントリでだくだくと流れる感想はすべて(当然ですが)個人的なものです。誰かを傷つける意図はありません。笑いのツボは千差万別、みんな違ってみんないい的なアレです。架路にはイマイチだったけどアナタには爆笑ものだったかも!多様性万歳!
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2018.09.16.22:24 | by 架路 |
| ラクゴ |