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落語の神は落ちてくる
噺家が面白く語る→お客さんにどっかんどっかんウケる→噺家さらにノってくる→お客さん大喜び→噺家に何かが降りてくる→拍手が止まらない!高座の上も下もアドレナリン大放出、ハナシカーズハイ!これすなわち神カイ!と、ゆーものデスね!
そんな現象が半年に一回くらい全国の落語会や都内の寄席で発現するらしい、そんなモノがあるらしいという話は聞いたことがありましたが、ワタクシ実際に目にしたのは初めてでございます…。真っ白いごはん…。(違う違う!)
いや、あれが神カイだと思ってるのたぶん私だけかもですが、凄かったなぁ…。面白かったなぁ…。あの噺であんなに笑ったの初めてですヨ、「寿限無」で!
Read More... なんとゆーかあれです、カレンダー的に二回行ける位置取りではあったので、最初は行く気まんまんだったのですが、8月上席。初日に行った感じがそれなりだったので、いやもう充分かな…。と思い始め。(「それなり」ってこの場合どーゆー意味なんだ。)
なにかものすごく心躍る代演が入ったら楽日に行ってやるか!夏休みだしな!
とゆー上から目線からの、天どん代演来たー!!天どん久しぶり!聞きたい!ぜひ聞きたい!あっ、でも夜だなコレ!でも夜の早い時間だから行けなくもないな!どんまで聞いてサッと帰ればいいかな!
等々。悶々と悩みつつも結局は昼の部最初から入って夜の部を1時間だけ聞いてサッと帰った、実質天どんトリになっている夏休み興行楽日にて、高座に神が降りてきたのを目撃したのでありました。
2021年8月10日(火)ブクロぼっち
昼の部
前座 松ぼっくり 手紙無筆
始 悋気の独楽
馬治 看板のピン
美智・美登
伯楽 (落語教室)
扇生 饅頭怖い
ホンキートンク
甚語楼 粗忽の釘
志ん陽 猫の皿
翁家社中
一朝 幇間腹
仲入り
馬石 狸の札
はん治 背なで老いてる唐獅子牡丹
正楽
志ん輔 黄金餅
夜の部
前座 り助 寿限無
彦三 お血脈
こみち 四段目
アサダ先生
天どん なんか事故物件的な噺
始ちゃんは最初に聞いた「たがや」の印象でここまで期待をひきずって来たのですが、なんつーか…普通ですね。うぅむ、あの「たがや」は何だったんだろう…。元気で面白い二ツ目だと思ったんだけどなぁ。初日に引き続き、めくりを見ながらハマグリ(ゆーてもこはくの前座名ではなく、ほんとにほんとの「蛤」。うぅむ、字が似ている…。)のことばかり考えてしまいました。落語に集中できないんだよね!なぜだろう!(笑えないからだヨ!←それ言っちゃいけないヤツ!)
あっそういえば甚語楼さんの代演も魅力的だったのでした、この回は!古典をフツーにやって面白い若手のホープ、甚語楼さん!きっと将来は権さん・さん喬師匠ばりの大物になるに違いない…。(と、私は過去にも何度か言ってる気がする。この先もきっと言い続ける気がする。)
一朝師匠の「幇間腹」も、内容的には馬玉さんでよく聞く「幇間腹」とほとんど同じなのに面白かったですなー。これまた何度も聞かされたら「もういいわ」てなるのかもですが。(多分なる。)
そしてハナクソはやっぱり動物噺が可愛すぎる。とにかく親方に朝ご飯を食べさせたい子狸が可愛すぎるんじゃよ。
はん治さんが「毎度お馴染みのところで〜」と話し始めたヤクザ高齢化物語。新作台本の入選作だろうか…と思いながら聞いてて、あとで調べたら文枝師匠作だったようで。面白かったなぁ…。今更ですがはん治さんはハイブリッドですね。(ホントに今更だな!)
志ん輔師匠は楽日のトリで何をやってくれるのだろう!とワクワクしていたらなんか来た!お初の噺来た!これは…これは…「黄金餅」!なんだか大変そうな言い立てのある「黄金餅」!うわ〜うわ〜嬉しいなお初だな〜!
…いやしかし改めて目の前でやってるのを聞くとものすごい噺だよコレ!こんがり焼いたお隣さんの腹をぶち割って金を奪うって。そのお金でお店を出しました!めでたしめでたし!と言われても、(゚∇゚ ;)ちょっと待って全然めでたくないヨ!?ものすごく人の道に外れてしまっているヨ!?と、ひきつった顔で手をたたくしかないです…。
人間てそんなもんだぜ、セラヴィ!とゆーことだろうか…。
ここで「黄金餅」に打ちのめされて帰らなくて良かったです、夜の前座り助がやってくれた。
めくりを見て「あ、久々り助!語尾が『〜でございますなッ↑』て上がるあのり助!」と思い出した記憶の中のり助とは別人の、なんだかやせ細った人が出てきました!(コロナ禍の生活で瘦せる人と太る人がハッキリ分かれてるのは面白いっすね。大半は変化無しだけど。)
いやはや、やせただけじゃなくて上手くなってましたなぁ。語尾ももう上がらず。(語尾が上がるから下手だとゆーわけではないけれど。)「師匠も反対しております。」のマクラからして、お客様の心をがっちり掴んでいるのがよくわかったね!
なんだろう、「寿限無」をやり過ぎて無我の境地に達したのだろうか。全然「笑わせよう!」という気負いを感じないのに一つ一つのクスグリが刺さるとゆーか。前座の「寿限無」の言い立て(言い立てといっていいのかアレを)で拍手が起きたの初めて聞いた!他のお客さんもすごく楽しそうだったし自分もこの日いちばん面白かったヨ!
これがあっちとこっちの相乗効果でどんどんいいものができていく瞬間なんだろうなぁ!と思いました。マジで。いやぁ、いいもの見せてもらったヨ!だからこの後に出てきた人のことはあんまり覚えていません…。(「個人的にはここがトリ!」と思っていた本日のメインの天どんすらも霞んだ。)
あ、そういえば彦三さん、高座名と本名の連名で本出すのやめていただきたーい…。色々すごいめんどくさかった…。
り助はこの先どうなっていくのですかねぇ。楽しみなようなオソロシイような。
★当エントリでだくだくと流れる感想はすべて(当然ですが)個人的なものです。誰かを傷つける意図はありません。笑いのツボは千差万別、みんな違ってみんないい的なアレです。架路には「黄金餅凄惨!」だったけどアナタには「言い立てブラボー!」だったかも!多様性万歳!(いや、言い立てはホントにブラボーでしたが…でも私別に真打ち昇進試験の試験官とかじゃないんで…。)
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2021.08.10.20:42 | by 架路 |
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