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嵐の(直)前のラクゴ。
はくざんのはくは〜、どんなはく〜でしたっけ…。柏?ではない、にんべん?伯?合ってます?(確認すらしない…)
いまだかつて聞いたことのない大大大混乱を各寄席に巻き起こしたとゆー、そんな伝説のニンベン襲名興行。ですね。正しくは、「でした」ね。コロナで最後の国立興行がぶっ潰れたのも、ある意味伝説で面白いかも。
その大混乱の中でも通常営業、「昼夜入れ替えしません!」「整理券出しません!」を貫いて…いこうとしていたブクロも、二日目からあっさりと方向転換。昼夜入れ替え+整理券配布(しかも92席きっちり!)するブクロなんてブクロじゃない!と、無責任な第三者は思ったわけですが…。入りきれずにロビーまで客がいるのは当たり前、階段も埋まって道路まで立ち見客が殺到すれば良かったのに…。ププッ。テケツの上のモニターで見れば良かったのに…。立ち見は料金の外です!(←前座だヨ!)
てゆーか善男善女の寄席好きの皆様は近寄らなかったですよね、にんべん襲名。国宝が来たってあそこまでカオスにならないだろ。どう考えてもおかしいでしょ、徹夜組とか。(いや別にいいですよやりたい人は好きにやれば。私はソコまで夢中になれるものは持ってないとゆーだけ。)
Read More... しかしまぁ、そんなカオスのおかげでヨキコトキク!3月上席はないな、これ…。と思っていた昼席への門が突如開かれましたッ、♪とてちてたー!!昼夜入れ替え万歳!襲名時には毎回入れ替えてほしい!人気者が夜トリの時も毎回入れ替えてほしい!
しかし果たしてお客が入っているのだろうか?夜大人気の時の昼の部に、わざわざ行く人がいるのだろーか…?とゆー不安と、いやいやいやいるでしょ逆に!にんべん?興味ねーな、おれは夢太朗師匠が聞きてぇんだい!とゆー穴馬狙い的なへそ曲がりが!もしくは、整理券争いに敗れた落ち武者たちが「じゃあしょーがないから普通の落語聞くか…」みたいな感じで殺到しているかもしれないヨッ!
と、両極端な予想の中で揺れまくった上に、雨も降ってたので開場ぴったりに着く感じでブクロに向かったところ…。テケツの前、演芸場のおじさんしかいない…。ももももしかして早めに開場してみんなもう吸い込まれちゃったのかなッ?もうお立ち見の札出てるのかなッ?(←当然出ていない)
こここわい。とても不安。彦いちさんや玉の輔のマクラで語られるよーな「昔のブクロ、客と噺家1対1」状態はさすがに御免被りたいので、おじさんにサグリをいれる。「お客さん入ってます?」「ガラガラ」。(うっ…)
でもさっき2人入ったから1対1じゃないヨ!とゆー言葉に背中を押されてイン!いざ入ってみるとホントに2人しかいない!うがぁッ。ツ離れしないってやつネ…(初体験!)。なんだかんだで前座さんが上がったときは5人くらい、その後じりじりと増えて最終的には15人くらい入りましたけど。一人(一組)一列座席使えてましたヨ。なんと贅沢な…。
そんな、交通費も出ないようなワリであったであろー状態なのに、きっちり仕事してくださった師匠方には頭が下がります。ほぼボランティア活動でしょアレ…。
余談ですが、一応襲名披露興行中なので¥3000だろうな〜と思っていたらば、昼の部はまさかの通常料金¥2500だったのも、ありがたいやら申し訳ないやら。浮いた500円を祝儀に包みたいくらい!(なのにその500円で団子を買ってしまった私を許してください天神様!)
↓ある意味よっぽど神興行!
2020年3月8日(日) ブクロぼっち
前座 楽ぼう 一目上がり
明楽 犬の目
小すみ
鹿の子 袈裟御前(さわり)
今輔 日本史発掘
Mグナム小林
圓馬 壺算
歌春 加賀の千代
仲入り
コント青年団
文月 天災
楽輔 風呂敷
正二郎
夢太朗 中村仲蔵
明楽さん、相変わらずの飄々感。この時点でまだお客さん数人だったのでなんとなく声を出すのがはばかられ、笑えるところは鼻で笑ってしまったけども(イヤな客だな!)。要所要所面白かった。鼻で笑ってゴメン。
何度目かの小すみさん。三味線なのに緑君ローラー、いや違った、ロックンローラー感が溢れる姐さん。色気がないのがまたかっこいい!(←自分的には褒めてるつもりですが…。サバサバ感が好き。三味線系の人って橘之助さんとか小菊さんとかうめ吉さんとか、そのままお座敷に出そうな雰囲気をまとってるけど(それはそれでそーゆー「味」なんだロウけれども!)、小すみさんはお座敷より路上でヘッドバンギングしそうな尾崎な匂いがする。(←いや其れは尾崎ではない、ヘドバンは尾崎ではない多分!)そこが好き!)
今輔さん、お初。最初ちょっと癖のある人感がしたけど、聞いてるうちに、あ〜嫌いじゃない、この感じ…。と。また聞きたし。古典も聞いてみたし。
歌春師匠ッ!掛け取り?睨み返し?が始まるのかと思ったら、ギュルッと始まった「加賀の千代」。そっちか!つーかこの噺、大晦日噺だったのね…。前回1之輔で聞いたときは全然気づきませんでした。
しかしもうホントにもう、あぁもう歌春師匠を見ているだけで僕ぁなんかシアワセだよ!ほっこりする!また着物の色がいつもキレイで、上品な老婦人っぽい師匠の雰囲気によく似合う…。高座の師匠はほんと、終始ニコニコしてて女性的ですよね〜。(←高座の笑顔にだまされる権太楼現象がここでも…)
もはや青年じゃない青年団さん。政治的信条をがんがん織り込んでくるネタ、難しいよな…。私は青年と同じサイドなんで滞りなく笑えますが、10人お客いたら(←そこ普通「100人」とかでは…)5人は敵に回しちゃいそうな。私が落選芸人Oシドリの出てる番組の時は寄席にビタ一文落とさないように(急な代演で入ってきても行かない…絶対…)、逃がさなくていいお客さん逃がしてしまってそう。
噺家さんのツイッターとか見てると「あぁこの人はそっち系ね」とミギヒダリの傾向がわかる程度に皆様言論の自由を駆使してらっさいますが、高座ではそんなことおくびにも出さずに落語してくれるから、こっちも色眼鏡で見ないで落語だけ楽しめるので。
トリが夢太朗師匠じゃなかったら、昼夜入れ替えでもわざわざ出かけてこなかった…かも。しっかり聞かせてくれてかつ面白い、信頼をよせている師匠の一人。仲蔵がインスピレーションを受けるそば屋のお侍、噺家なら誰がハマるかな〜と考えながら聞いたけど、誰も思い当たりませんでした…!!
★当エントリでだくだくと流れる感想はすべて(当然ですが)個人的なものです。誰かを傷つける意図はありません。笑いのツボは千差万別、みんな違ってみんないい的なアレです。架路には「朝から並んで整理券ゲットするなんてあり得ない!」襲名興行もアナタには「今行かないでいつ行くのだ!」的正念場の興行だったかも!ニンベン先生万歳!
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2020.03.08.20:02 | by 架路 |
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