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二ツ目という存在
二ツ目…このビミョーな存在。二ツ目昇進披露の席で前座修行から解放された若者達を死ぬほど見てきましたが、マクラ解禁ッ!だぜ!!とばかりに無駄口をたたきまくり(←おもしろけりゃ無駄口でも無駄じゃない口でも好きなだけたたいてもらって結構!)抑え込まれていた個性がゴボゴボとあふれ出す系の若者。と、前座時代からあまり変わらない、ひたすら落語だけを黙々と追究し続ける(んだかなんなんだか)、没個性の若者。に、極端に分かれる気がします。そしてだいたいそーゆーのは同じ一門な気もしますが…。自由すぎる一門と真面目すぎる一門、将来的にどちらが大成するのかは知らない…。(結局は個々人の問題ですかね!)
私らが寄席に出入りを始めたとき既に二ツ目中堅組だった人たちゆーのは、基本的には「レアな噺をしてくれる面白い人たち」。出番がほぼ一点集中なので「この人面白いワ!」と思ってもそれっきり二度と聞けず、という状態もあるのですが、二ツ目さんたちは基本的に信頼度高いです。落語の上手下手は構わぬ!若気の至りで面白いこと聞かせてくれればそれで良し!的な心構えなので。こっちが。
Read More... 2018年11月17日(土)ブクロ
前座 彦星 牛ほめ
志ん松 たけのこ
文吾 書家政談
一風・千風
玉の輔 財前五郎
錦平 壺算
夢葉
吉窓 都々逸親子
琴柳 海賊退治
M山おさむ
種平 干物箱
仲入り
志ん陽 たらちね
志ん橋 看板のピン
小菊
伯楽 井戸の茶碗
なんだか意味のなさそうな前振りをだくだくと並べて何を言いたかったかとゆーと、志ん松さんがちょっとスキ!ゆーことで。(ちょっとかい!←ちょっとだヨ!)大笑いするほどガツガツ笑わせにはこないんだけど、しっかり古典落語をやってくれて、要所要所でクスッとさせて、全体的には「良かった!」ゆー、瀬戸内レモンのような爽やかな余韻が残る。顔は濃いけど。この時も「たけのこ」なる後にも先にもここでしか聞いたことのない噺(時期的には「タケノコ!?」て感じですが)。回数それほど聞いてないんですけど、二ツ目さんたちの中では一番しっかり者のオアニイさんだ!ゆー印象があリンス!つーか、志ん松さんに限らず古今亭の二ツ目さんたちはみんなしっかり者な感じ。古今亭、盤石ッ!(金原亭はまた別…。)
この席が二ツ目昇進だった文吾。前座時代は一度も聞いたことないのでどんな前座さんだったかは謎ですが、この日の完成度が凄まじかった。これで二ツ目(になったばっかり)?しかもコレ自作!?と色々衝撃的。この一度きりで二度目はまだ聞けてないので、他の落語をどう演るのか知らんのですけど。この日に限ってはホントに目が点、トッキッキ!でした。良い意味で!文蔵親分のとこのお弟子さんは粒揃いですな。文蔵一家も盤石!
正直者万歳の「井戸の茶碗」はこの時がお初、志ん輔師匠の代バネで伯楽師匠。落語を聞いたとゆーか、民話の昔語りを聞いたような平和な印象が…。落語あるあるの「こんないい人たちが実際にいるわけない!」噺ですけど、だからこその非日常感に浸れてそれはそれでまあいいじゃん、的な。とても新鮮な気持ちで聞けたなぁ…。今となっては「井戸の茶碗」と「幾代餅」が頭の中でごっちゃになる時もありますが…。(どっちもハッピーエンドみんなシアワセ!)
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2018.11.17.19:05 | by 架路 |
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