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恐竜を見たとき。
↑いきなり何だこのタイトル。つー感じですが、アレです。「ジュラシック・パーク」です。アレを映画館で見たとき、なんかもう、それはもう、開いた口がふさがらない感じだったとです。映画が終わって映画館から出てきて、真夏のクソ暑い池袋の路上に立ったとき、世界が違う場所になってしまった、と思ったですヨ。「ジュラ」を見る前の世界と、見た後の世界はもう同じものではない、とゆー感覚。
で、つまりソコです!何かを見る前と見た後では、世界が違うように感じられる体験。それをこの時にした。初シロザケ。
たかが落語で、はぁ?大げさな。と思いますけど自分でも。2ヶ月の短い間とはいえ、そこまで聞いてきた落語と似て非なるものを聞いて、暗い地下二階からネオンの眩しい汚い夜景のブクロの路上に立ったとき、「世界はもはや同じものではない」と、蘇るあの感覚。懐かし。
Read More... 2018年6月9日(土)ブクロ
昼仲入り〜
柳朝 武助馬
小袁治 鰻屋
のだゆき
小さん 笠碁
夜の部
前座(演目ともに不明)
こはく 四段目
圓十郎 饅頭こわい
にゃん子金魚
龍玉 親子酒
馬玉 そば清
正楽
歌之介 母のあんか
雲助 置き泥
仲入り
たけ平 西行
南喬 壺算
夢葉
白酒 幾代餅
全然関係ないけど、こののち一人で寄席に出入りするようになってから「一人のときによく聞く噺」の上位にランクインするのが「笠碁」。意地の張り合いから最終的に仲直りするジジ二人がなんとも微笑ましくて好きですな〜…地味な噺だけど。
…まッ、この噺がもしほんとにあったら、実際には片方しか意地張ってなかった!とか、もう一人はそこまで囲碁好きじゃなかったから渡りに舟とばかりに縁切った!とか、落語(実際は)あるある!だろーと思いますぐぁ。
↓以下個々の感想。
柳朝さんの「武助馬」。倒れよっかな〜と思っている塀がツボすぎて、1週間これでご飯食べられました。ひょろっと感のある柳朝さんにハマりすぎですよ!デブサミットの皆様が「倒れよっかな〜」と言っても多分その塀は倒れない。(いや、逆に倒れるかも?ある日突然崩壊するどこかの国の高層ビルみたいにバッターンといくかも。)
こはく。私らの初ブクロで二ツ目昇進だったので、何となく「一緒一緒!」感のあるヤツ。(無責任な連帯感なうえに実際はなにも連帯していない…。)
この時まだ二度目だけど、なんかこのコは独特な個性がにじみ出て面白い。前回「金明竹」で与太郎をやってた時も、この与太郎ただのバカじゃないな!と思わせるものがありましたヨ!バカの下地にどこか姑息な匂いがするとゆーか。(←それは褒め言葉ではない!)小悪党のキャラなんですかね、人格が。スネ夫的な?(←だからそれは褒め言葉ではない!)
龍玉さん。いやー、こんな暗い「親子酒」あるんだネ!とビックリしました。雲助一門はみんな個性が強い…。噺を自分色に染めきってますな…。スジは普通に「親子酒」なのに、なんか陰惨なオーラが。あーあと渋くてステキな着物だった。
雲助師匠の、いや、師匠だからとゆーわけではなくこの噺が!「置き泥」!
夏の間「お菊の皿」と「欠伸指南」と「置き泥」を色んな人に(場合によっては同じ人にも)何度も何度も聞かされるわけですが…。泥棒噺の中でも群を抜いて泥棒が気の毒な(カツアゲされてる…)「置き泥」。登場人物二人だけだし、爆笑系でもなし、正直なところ退屈。な割に、平成のご時世まで生き残ってるから人気あるんですか?初心者だからわからない面白みが、あと十年くらい聞き続けたらわかるようになるのでしょーか。謎。
白酒さん!
私らをブクロの地下2階に引きずり込んだそもそもの原因の師匠!(そして当日はまさかの不在。)その師匠をようやく聞ける!とゆーんで、かなりハードル上げて臨んだのですが、そんなものも軽々と乗り越えて遙か高いところにいつかのブルーインパルスのように、まるで蠅かただのシミのよーに小さく映った…。と言えばわかっていただけるでショーか、私の勘当を。あっ違った、感動を。(何が?何を?てゆーか若旦那?二階に居候の若旦那?)
…訳のわからん比喩はどーでもよくてですな−。
くうッ、面白かった!マクラから噺から全てが!
それまでも腹筋がつるほど笑える落語はいくらもありましたが!この人毎回裏切らないな〜という贔屓の色物さんもおりますが!この日のトリは、単に「面白い」という枠に収まらない、どーにもこーにも楽しい「場」そのもの。に居たのだな自分。そしてそれを作り出したのが白酒さんなんだな。と、振り返って思ったりするのです。
「幾代餅」ゆー、ひたすら夢のようなハッピーエンドの噺のせいもあったのでしょうが(出てくるのいい人ばっかり!)、ホントにシアワセだったこの日。おててのしわとしわを合わせてシアワセだった…!!寄席であんなにシアワセだったのは後にも先にもこの日だけ!(それはそれで問題だヨ!)
外に出てもしばらくはフワフワ歩いていた。「世界はさっきまでの世界ではない」と思った。白酒ショックの日でありましたとさ。
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2018.06.09.22:39 | by 架路 |
| ラクゴ |