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お賽銭

広い長い白い階段をのぼる。
階段の途中には、死んだ人たちの写真が飾ってある。所々に賽銭箱も置いてあって、私は持っている小銭を入れていく。たどり着く場所でもうお金は必要がないので、景気よくじゃんじゃん入れる。

階段を上り詰めたところでは、カードゲームが行われている。私は既に一回負けているので、この回は負ける心配がない。自分のカードを拾い集めて、その輪に加わる。今回は命を賭けた真剣勝負なので、私以外の人はツライだろうな、と思う。
けれど本当に私は今回負けずに済むのだろうか。
誰もそのことに気づいていないのだけれど、私がこの回に負けない保証はどこにもない。
それに自分が気づいた瞬間、この勝負もやはり私が負けるのだ、と思った。

2005.10.26.17:28 | by 架路 |
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