Jubilee

「この映画はこのシーンのために存在する！」と思わせる作品が時々あります。もちろん人によって色々なのでしょうが当然。私にとってのそれは、「セッション」の最後の8分間とか（やっとシモンズ先生に認めてもらえたぜッ！とゆーあの達成感）、ハリウッド版じゃなくて本国版のほうの「ミレニアム」3部作の3作目の法廷シーンとかなのです。（「ミレニアム」1回しか観てないからあんま詳しく覚えてないけど、ようやくクソ野郎が報いをうける時がきた！的な強烈なスッキリ感があった気がする…。あれ1作目がなかなか過酷で、友人はそこでリタイアしてしまったので「3作目まで観てくれスッキリするから!!」と力説したのですが多分ヤツは観ていない。）えーと、他にもあったけど思い出せませぬ。
で、この作品もそれだなあ、と思ったのでした。最後にBonoに歌わせるためにすべてが存在する…。
別に他の場面が全てクソだとゆーわけではないですヨ全然！ストーリーも構成もキャラの面々も次々歌われるヒット曲の数々も文句のつけどころは無いですヨ！存分に楽しませていただきましたヨ！さすがILLUMINATION作品。
が、Bonoが歌った途端に、そこまでの全てが(´ー｀)┌ナンカモウドーデモイイヤ！とゆー気分になるのです。おそろしや、Bonoおっそろしや。別にU2ファンとかではないのですが…。（嫌いじゃないけどすごく好きでもない。流れてたらフンフンって聞くけど、自分のプレイリストには入ってない、その程度。）
そういえば「SING」1作目を（TVで）観たときも「J.Hudサイコーだぜッ！」と思ったんでしたわ自分。アハハ。

そして比較するようでアレですが、突然セリフを歌い出して違和感があったミュージカル映画が、去年観た「ミラベル〜」でした。いや、ミュージカルってそーゆー不自然なものだとわかってはいますが…。てゆーか自分、ミュージカル嫌いだったなぁとこの映画を観て思い出した。あぁ居心地が悪い、こんなものを観ている自分が恥ずかしい！いったい他の人達どんな顔してスクリーン観てるの!?と、椅子の上でひとりソワソワしてましたヨ…。
なんつーかアレですね、ディズニーは最近「アメリカ以外」に目を向けることに必死ですね。ディズニーが、というよりもハリウッド全体が「多様性万歳！」「白人だけが主人公じゃなかった！」的な方向に無理矢理動いているようですが。まぁそれはどーでも良いです。
「魔法が使える家族の中で一人だけ魔法が使えないミラベル（眼鏡）が、いじけそうになりながらも明るく振る舞いつつ、一見シアワセそうなお姉ちゃんたちの内面の悩みに気づき、家族とおうちを崩壊から救う」とゆー展開のこの映画。それなりに刺さるセリフもありました（一つも覚えてませんけど）。が、いかんせんロケーションが「魔法だらけの家」とその周辺に限定されているので、主人公の眼鏡女子ミラベルちゃんが広い世界に出て行かない。一応の起承転結はあるものの、いまいちスケールが小さいとゆーか、これぞというカタルシスが見つからないまま終わってしまったのが残念な仕上がり…。「ラーヤ」の方が何かと考えさせられたな…。

やっぱディズニーは村を飛び出して冒険しないと駄目ですね！もしくは「ミラベル」も最後にBonoに歌ってもらえば「もうこの場面さえあれば他はどうでもいい！」と私のよーなオバカな客に思ってもらえたのかもしれませぬッ。
Bonoサイコー！だぜッ!!