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紫カタバミを指さして
「レンゲが咲いているよ」と言われた時はちょっとどうしようかと思った。
「レンゲじゃないね」とか言うべきであろうか。この人のこの先の人生において、紫カタバミとレンゲの区別がつく人に出逢う可能性はどれくらいであろうか。紫カタバミが咲く季節に紫カタバミの咲いている場所で、紫カタバミとレンゲの区別がつく人に出逢う可能性はどれくらいであろうか。その時この人が、紫カタバミとレンゲの区別がつく人の前で紫カタバミを指さして、「レンゲが」などと口走る可能性はどれくらいであろうか。
紫カタバミの名前を知らないにしても、紫カタバミを見てレンゲだと思わない人は世の中にたくさんいる筈である、きっと。
Read More... 今私が一言「レンゲではないね」とか言っておかねば、この人はこの先の人生で恥をかくことになるかもしれない。
等々と二秒くらいの間に逡巡して、結局めんどくさかったので「わぁ本当だ」と言うにとどまりました。いや、だって、オコガマしくって。私だって十年前は平壌を「ヘイジョウ?」とか読んだしさー。私の目には紫カタバミに見えていたけど、他の人にはレンゲに見えるのかもしれないし。世の中ナニが黒くてナニが白いのかなんて、自分にそう見えているだけで何の保証もありませんって。アハハ。
「恋愛曲線」を読んでその医学用語溢れる中盤部分に辟易し、他作品を読まないまま遠ざかっていた小酒井不木集を読んだのですが。
チョー面白かった。です是。
ドンデン返し、またドンデン返しな。これほどにぐるんとひっくり返されたドンデン返しはちょっと初めてヨってくらい足元すくわれた感じが。ラストまで引っ張らなくても作品中のありとあらゆる曲がり角にプチ返しが仕込まれているような感じな。
昔の人が片手間に書いてるようなミステリが一番おもしろい。
娯楽として読むんならば。
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2003.06.03.17:31
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