« 焔と刀身 |
メイン
| 垂鐘 »
しあわせふしあわせ
本は読み終わりたくなければ読むのをやめることができる。
時間はそうはいかない。
止めることも戻すこともできない。
終焉が、やがて来る日がいつなのかわかっていれば、態度も変えようがある。後悔するようなことは思わない、言わない、やがて来るものがいつなのか見えていれば。
いなくなって楽な点も確かにある。そういうことを考えるだけで人間性疑われるような気もして後ろめたいけれど、それはある。カチャカチャいう音が耳障りでイラッとしたこともある。こんなんなら早く終わってしまえば、と思ったこともある。
けども、「楽」な点とゆーのは記憶の中に生き残らない。失ったという喪失感だけがいつまでも残る。楽なことなど、はじめから無かったことのようになる。
Read More... 死んだものは死んだものでしょーがない。
けども、もう動かないものを前にして、ほんとうにじわじわとしみてくるのはこれからなんだよな、ゆーことが前回の例でわかっているからこの先がこわい。
苦しまなかったとか、どっちがマシだったとか、よくわからない。うやむやのままで、もしかしたら知っていれば何とかできたかもしれないことも、知っていて教えてもらえなかったのかもしれないことも、もう今「知って」もどうにもならない。
今は苦しくない。
それだけわかっていれば充分だという気もする。
今はもう苦しくない。
生きるということは、残されていくということでもある。
そして送り続けるということでもあり。自分が送られる時にようやく、すべての喪失から解放される。看取ってやれたから少しはマシか?
そうでもない。
Close...
2008.01.19.21:56
|