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先を争って
孤独を目指している、みたいな。
僕ら莫迦みたいに。狂気のよーに。
みんなして先を争う。一歩でも前に出ようと挑む。その先にあるのは「ひとりぼっち」だ。みんなそうだ。ひとも鳥も獣もオサカナも、トカゲもカエルもネズミたちも、触覚のある例のモノも。犯罪者偽善者生存者。傍観者。みんなが走る。
翼でもって空も飛ぶ。脚で地面を蹴って駆ける。をを、馬のようだ。理由なくあてどなく、ゲートが開いたから走り出してしまう馬のようだ、ソレ。周りが走り出したから一緒に走り出してしまう、サラ系のようだ。アラブのコでもよい。砂漠を駆けるならそっちのがいいかもしれない。
何の話だ。
(「走る」?それがもしかして今年の私の課題だった?もう終わり近いけど。)
Read More... 元え。
最近何かっつーと遺伝子でモノを見てしまう。要するにこれって遺伝子レース?もしかしてこれって神様のレース?
もし僕が神ならば、きっと暇つぶしにそんなこともするかもしれない。なぜなら、いちに不死で、にに暇だから。閑古鳥が鳴いているから。時間だけは腐るほどストックしてあるから。いや、ストックはできないだろ。どうだろう。なんせ神だから。
腐るほどの時間をかけて、遺伝子レースなんかもするかもしれませんよね。ひとつからなり、派生して、ひとつだけ間違ったようにのさばり始め、一方でまた別の流れが床下で増殖し、氾濫し、そうやって最後にはまた、ひとつに戻る。その、始まりとおわりの姿を比べられたらば、まぁそれは一種の娯楽であろうよ。賭けにもなろうし。馬単みたいなもんで。(違うでショ。)
そんなふーに、先を争って最後に立っていたひとつの個体になるためだけに血を繋いで螺旋を繋いで、他のバトンが繋がらないように妨害したりされたり、内輪もめやいやい、足の引っ張り合い諤々。
とうとうとなみだをながし。
リフジンに打ちひしがれ。
大枚をばらまき。
肥えるほどに貯めこみ、使いはたせずに朽ちて。
しぼられて痩せほそり、満たされることなく朽ちる。
目指すところは、「ひとりぼっち」。
死に囲まれて、幾億もの死に囲まれて、取り巻く産声が耳鳴りを誘い、死に群がり、生を押し出して、バトンを抱える。
何のために?
他の全ての種を蹴散らして、大差で決勝線を踏み越えるためだけに。
カミサマの主催するレースで着順掲示板のいちばん上に載るためだけに。
(そして下には誰もいない。サバイヴィングレースだから。)
勝ったって賞金がもらえるわけでもない。
ただのカミサマの暇つぶしだから。
途中で転んだって薬殺もしてもらえない。
だって暇つぶしだから。
カミサマに誰も倫理観なんて問わないから。
レースコースは死に損ないと死骸だらけで、きっと木もよく育つ。
僕らが焼いてしまわなければ、植物だっていいとこまでこれるのだろうに。
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2007.10.26.23:11
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