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つかのま

美しく散ったのでなくても、すっぱりとした切り口でなくとも。
あれは私の判断。右と左に裂けながら皮一枚でかろうじてつながって元に戻ることができたのがあの判断。
頑丈な縄をさび付いた刃物でほぐすように切っていったのがあの判断。

美しく散ったのではなく、つけ根から落ちたのでもない。
根本から引き抜いて呑み込んでしまった道ばたの花。

吐き出したところで、もう色褪せているのだろうと思う。
記憶の中のその鮮やかさ美しさに、もし色褪せていなくとも、もう敵うものではないのだと。

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2005.08.03.21:52 | トラックバック (0) |

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