隠遁
私が内側に持っているのは鋭い刃物。
刃物であることを知らせてもその刀の白刃は見せない。柄の彫刻も覗かせない。
それは人を傷つけるためだけにあるから。
たとえば誰に対してでも、正の感情と負の感情は押し合いながらどちらかがゼロになることはない。私の中にその人という名前のついた器があって、その中には水と油の相容れない二つの感情が必ず二種類詰まっている。どちらかが増えたりどちらかが減ったりするけれど、必ずそこには二種類の感情がある。
私の周囲の如何なる人も、私に対して同じようにそうであると思う。一番の親友にしても私の中に必ず彼女の気に入らない面はあるのだと思う。
けれど彼女が私にそうであるように、私も彼女に対して負の感情は覗かせない。彼女に対してだけではなく、誰もが誰かに対して気持ちの良い感情ばかりではなくて、けれどそれを隠し通すのが人付き合いというものなのではないだろうか。とか。
それを他人に漏らしたら陰口に、公言したらば中傷になってしまう。
Read More...2005.02.25.18:55 | トラックバック (0) |
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