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拝啓わたしさま
私の今まで見ていた景色から、何か一つが欠ける程度のことだと考えていた。例えば道ばたの花の色でもかげるくらいの。通り過ぎて、すぐに忘れ去ってしまう、そんな程度のことだと思っていたのです。
ですけれど。
私の見ていた景色から、色が消えました。
光も消えました。
天下の景色は、墨におおわれた。
晴れるかもしれない。
晴れるのには違いない。
けれど私は、この闇が怖ろしい。
この闇の中で立ち止まっているのが、ほんとうに怖い。
Read More... 走りたい。
走り出したい。
今はただ走りたい。
けれど何もかもが止まれと言うのです。
誰もかもが、進めとは言いません。
そしてあなたも、地に足めり込んで、私をそんな悲しそうに見ている。
あなたは、冷静です。あなたには現実が見えています。あなたは私を傷つけないために、私に後悔をさせないために、あなたはできればあなたと一緒にとどまってほしいと、口に出さなくとも心では強く思っているのが、私にはわかる。
私は、
走りたい。
走りたくて走りたくてしょうがない、走りたい。走りたいけれど、
何もかもが私を止める。誰もかもが進むなと言う。
あなたも。
私も頭ではわかっている、走らないほうがいい。走ってはいけない。やり過ごす方がよほどいい。心でも半分はわかっている。
けれど心の片側が。
走りたい。
走り出して、けれどあなたを置いていけない。
走りたい、けれどあなたを置いてはいけない。
何もかもが止まれと言って、誰もかもが進むなと言い、あなたは私に進むなとは、口にしないけれど、走りたければ走りなさいと言って、乖離に備えて、
私は、どうしたらいい。
誰も背中を押しはしない。
けれども、どうしたらいい。
これがただの気の焦りなら。
振り向いて苦笑するような、ただの間違いなら。
いいのだけれど。
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2004.12.08.22:22
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