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Go, or Not Sign
走りたくなった。
地下鉄の駅で似ている人を見た。
走りたくなった。
走る自分の姿を想像してみた。
とても嘘めいていた。
それが幻想であると知っていたから。
走りたくなった。
誰かが冗談にも、そうだね、試しに走ってみたらば。
そう言ってくれたらば、走り出してみようかと思った。
Read More... もう一度問うたらば、やっぱり何もかもが、止まれと言った。
誰もかもが。
進むなと言った。
そこで私は諦める?
周囲のためではなくて、ほんとうは私が、この道に続きはない、それを何よりもわかっているから、ほんとうは私が、私のばかげた考えを止めてほしいから。
心の片側が走りたがっている。
もう片側は、見ないふりをする。
見ないふりをしながら足は地に食い込ませている。
もしもあなたが走ったら、私は切り裂けてしまうでしょう。
私はその時こそ、二つに分かれてしまいます。
それでもいいのなら、私はとめない。
それでもいいのならば、あなたは走るがいい。
脅しなんかではなく、私はあなたの意志にまかせたいだけ。
あなたの、例えその先にやっぱり転んでも、同じ硝子に突き当たっても、あなたが走ろうとした、その意志を摘み取ってしまいたくないだけ。
あなたは私だから。
同じくらい苦しんで同じだけ涙を流した、私だから。
走りたいのならば、覚悟があるのなら、走るのもいい。
けれど私はその時いっしょには行けない。
あなたが走り出したその時わたしはここに切り裂かれて取り残される。
それでもいいのなら、もしその先にやっぱり転んでも。
同じ硝子に突き当たっても、あなたは行くのがいい。
わたしだから。
同じほど苦しんで同じだけ涙を流した、わたしだから。
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2004.12.07.20:51
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