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トラスト
今日逢えないと、この先しばらく逢えないような感覚で。
最後の最後に貴方はいつもと同じ顔で来たけれども。
なんだかほぼ死に体で。周囲に助けられてかろうじて立っている、そんなふうに見えた。
どーしたの。
強さを取り戻したんでは、なかったの。
あの時の、まるで大御神のような、まるで弱さの欠片もない、どこから見ても隙のない、まるで誰も太刀打ちできないような強さの貴方は苦手だった。見ていてなんだか遠かった。遠すぎて思わず後退した。自分から拡げる距離も気にならなかった。気丈夫な貴方は苦手だった。
けども、またしても、その死に体、その、ぼろぼろの背中、見るからにぼろぼろ、それでも気丈夫な時と同じ、後ろから抱きしめることのできない、ぼろぼろの背中。
またそれを見せるのですか、どーして?
私が触れられないと思うのは私に、貴方に触れるだけの勇気がないから、だからなのですか。悪いのは私なのですか。そうなの?
どうなの。
Read More... 貴方をまた何か貫いている。
尋常でない鋭いものが貫いている。突き刺さった切っ先が後ろに立っている私からも見える。
貴方が真っ正面から受けた切っ先が、貴方の胸だけでは足りないとでも言うように、あたかも誘うように、その背中から突きだしているのが私にも見える ので、
私は、自分が傷つくのを無意識に避けていたのでしょうか、どう?
貴方のそのぼろぼろの背中、それを後ろから抱いたらば、私にもその切っ先が触れるから、だから。そう?
貴方と同じ刃に貫かれるのは、
貴方を貫いたものを自らの胸に突き刺すのは、
貴方から流れる(再度、流れる、)その血のつたう、同じ切っ先を、承けられるのは。
私ではないでしょ。
噛むのはね、唇噛み締めているのはね。信頼していないからじゃ、ないんだよ。信頼していないのとは違うって、ちゃんと言ったつもりだった。伝わっていなかったのだね。貴方を、信頼していないのじゃない。貴方に任せられないとか、思っているわけじゃない。貴方を信頼していないから、斯様に心配しているわけじゃないんだ。
まだうまく言えないから、まだ言わないけどもさ。
殺しそうな勢いで睨みつけるほうがいいと言う。
死にそうな顔で見つめるのは、それは役者が違うんだと。
私は貴方の経過に一喜一憂することはない、貴方が結果を出すところまで、貴方が逃げ出さないように、私のこの目を据えていろと。
喜べばいいわけ。
貴方なりに拒絶してるわけ。
私がいてもいなくても、貴方は逃げ出したりしないじゃない。
Close...
2004.05.08.23:16
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