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本を読んでいておもむろに。
ふらっしゅばっくのように眼前に浮かんだ風景が
まっさらの木綿に紺で椿を切り絵の如く描いた浴衣、
海辺の砂浜、晩夏、土用波、後方に防風林、ごつごつの松、
真っ直ぐのかむろ髪をざくざくと梳いてなびかせる風、
足元に土用波、後方にごつごつの松、眸。
円く大きく濃く黒く、ぱっちりなんて可愛げのある形容詞ではとても足りないような、突き刺さる如く強い揺るぎない眸。
白地に紺で切り絵のような椿の散った浴衣の裾を両手でたくしあげて、脛を洗わせる遠浅の海で仁王立ち。上から下まで身体は真っ直ぐ眸も真っ直ぐ、かむろの髪と浴衣の端だけばさばさとなびく。
ああ、これぞCRUDE。
(憑かれているね、自分。)
2003.05.06.23:19 | トラックバック (0) |
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