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黒と藍
ある人とある作品談議をしていた折り。
「あの作品はまったくもってゲージツだね。」
「映像ばかりでなく音響もすばらしいね。」
「実写と見まごうほどに細緻を極めたアートワァクだったね。」
「ストォリィもよくできていたね。」
「やたら問題提起をしたがる昨今のモノよりはね。」
「僕ぁ先日ついにDVDを購入してしまったよ。」
「それは愉快だ、今度是非僕にも見せてくれたまい。」
「厭だね。」
「厭かね。」
「厭だね。」
Read More... 「さておいて、あの主人公は少し寡黙すぎやしないかね。」
「さうだね。」
「声もいささか小さすぎるようだね。」
「さうだね。」
「実際問題として、あれじゃ周囲と会話ができまいね。」
「さうだね。」
「パァドン、の嵐だね。」
「さうだね。」
「しかしあの作品は彼のミリキ無くしては語れまいね。」
「さうだね。」
「しかし現実にあんな男がいたらばかなり厭であらうね。」
「さうだね。」
「それでもあの中ではやはり一番人気だらうか。」
「さうだらうね。」
「君も女性の視点からしてやはり彼に惚れるほうかね。」
「顔が良いからカッチョエエとは思うだらうね。」
「それでどうだね、惚れるかね。」
「いや、僕ぁ主人公より、幽体離脱のミドリな人にぐっときた。」
「…君って人は、本当にシニゾコナイが好きだな、ワレ!」
えッ、『死に損ない』、?
と、二十四時間のうちに自分の言葉を無関係の他人からズバリ返されて驚いたんでした。きっと言葉って滲み出るのだわ。顔に書いてある!ってまんざら字面だけのことではないのだわ。と思ったり。
さぁ、この作品って何でショー。(わかるまいよ)
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2003.04.09.22:07
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