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実験体
個体ってのは結局遺伝子にとって、数多あるバリエーションの中から最善のものを選ぶための実験体にすぎないのであろうか、あろうな。と考える。自分が自分である意味はその一点に集約される。結果を見ようともしない態度だから、それは確かに負けと呼べるかもしれない。
いや、そーゆー議論をしたいのではないはずなのに、回り回って結局はそこに還ってしまう。イラクサが進化するのだから、ヒトも進行形の進化を続けているのだろうそれはモチロン。ミクロであろうとマクロであろうと、狭義にも広義にも、生きることは所詮競争なのだと。他者を蹴落として、あるいは如何にだまくらかして、自分を伝えていこうとする戦いに終始する場なのだと。
それなら感情なんてないほうがよかろうよ。
冷酷さを抱いていく必要もあろうよ。
Read More... 時につよく、大概はぼんやりと、背中に明日を負い、正面に過去を据え、見つめているのは自我の中核を隠蔽しようと必死の、躍起の、やはり自分の姿。強さだけでは勝てなかった。がむしゃらは、やはり挫けた。したたかでは、飛んでくる障害をやり過ごすことはできても前に進めない。弱さは、痛みばかりを抱え込んで膝をついてしまった。共に歩いて行けると思った人は、共に歩いてはいけない。
誰のために、を、誰のせいで、と言い換えて、いつか存在を見失う。
悲劇としか見えないカタストロフが目の前に控えている。
ひとつの周期を終えたまた別のカタストロフが、耳元で言う。
まだこの棘を抜いてはやらぬ。
気持ちは、もう無口を通り過ぎて、半分は腐ったようになって、目の前のたくさんのアレコレを透して、何か向こう側にあるものを見つけたい、何かがあるのだと信じたい、たくさんの人の頭の向こうに赤黒い薄暗い渦巻くように黒い塊の向こうには何かがあるのだと信じたい、そうしてそれを見つけたい、一瞬でいい、見るだけでいい、そんなような細い、絹糸のような細い、縒り続けなければいつでも途切れてしまうような細い、期待でもって繋いでいる。
貴方が、まるで私のことを、シッダールタを炎の向こうからたぶらかそうとした何かのように言って切って捨てて、それまで故意に念入りに隠していたとしか思えないその白いふやけたくだらないものを抱えて立ち去ってから、もうこれだけが経ちました。私の中で貴方は皆殺し。
一体も残さぬほどに、念を入れて執拗に、皆殺しです。
ひとえに私の再生のために。
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2007.09.25.19:49
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