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声にならないもの
兄と結婚する夢を独逸にいた頃に何度か見た。昨夜、五年ぶりか、もしかするともっとかもしれない、またそんなような夢をみた。
夢の中のその人は、顔かたちは実物の兄と似ても似つかず、血のつながりもあるのだかわからない。いつも其処で初めて出逢う人なのだけれど、「兄」なのだ。そうしていつもその人と好き合って、けれど自分たちの意志より周囲に流されて結婚という方向に行く。けれど夢の中で最終的に結婚までは行き着かない。周囲の人も私にその人が「兄」であることはわかっているけれど、誰も変な顔はしない。
夢に出てくる異性の兄姉は恋人の象徴や代理で、その人の言うことはすなわち恋人の言いたいことなのだそうだ。結婚という行為は新しい環境や生活を、転じて今の自分の状況に対する不満やストレスを示しているそうな。
Read More... 夢の中で「兄」に言われた言葉と、私が返した言葉でなんだか印象的なものがあったのに、忘れてしまった。家族で子どもだか母親だかがどうのこうの、と言われて、それならてめえが帰って来い、みたいな事を言ったのだけれど、やっぱり忘れてしまった。
一時期は階段を下りる夢ばかし見ていた。
くだらない頭の中だヨ!と思う。
思い出すことがたくさんある。
例えば中学の頃の日記を捨てたことを思い出す。思い出したくないことがたくさんあるから、それは別に良いと思う。もしかしてもう十年二十年もしてまともな生活をしていたらば、そのことを悔いたりもするのかと思う。捨てる前にぱらぱらと読んだ日記には、忘れていた良い思い出もたくさんあった。けども今がこんなにまっしろで行きも戻りもしない道で、楽しい昔なんて思い出してどうなるのだろう。忘れないでどうなるのだろう。イヤなことも恥をかいたこともシアワセだったことも昔のことなら思い出したくはなし。捨てたことを悔いるようなまともな今ではなし。
赦すという行為のさらりとできる人こそ得をするのだと思う。
人を憎んで生きていくのは気持ちが悪い。
さらりと水に流せたらいい。けれど私はその人たちを憎んで蔑んで足元に見下ろすことで、自分とその人たちの間にかろうじて細い消えそうに薄い、塵の積もったような吹けば消えそうなほどの線引きをしたいのだと思う。
私は私に対する矜持ってものがある。
あなたたちとはちがう。
思い出すことばかりなり。メグミさんのこと。アラタさんのこと。高尚な場所。降りそそぐ高尚なモノ。その下に人垣割って入り込んで、降りそそぐものを頭に染みこませて私はなんだか得意だったような気がする。私はなんだか間違えていたような気がする。端から見るとみっともない、ワタシのいつもの有り様。
何も書く気がしなかった。何も感じることも面倒だった。何も伝えたくなかった。私がそのことを思って懸命に何を書いても否定された。なんだ伝わらないんだ。なにも伝わらないんだ。それなら私ももういいや。とか。
腐ったものを撒き散らす。撒き散らして平気な顔。
一番否定していたものに自ずから なる。
そうであって良かったのか悪かったのかわからない。きっと良かったのだ。いいや悪かった。たぶんたぶん良かった。いつ下した判断が正しい?時間が経たなければ間違い?だけどもう二度と自分に向かい合っているその裏側を疑わずに対することはできない。
直線ではなくて球体だったのだろうか放ったら
私の裏側に突き刺さっただろうか
死んでくれたらいい、消えてくれたらいい。
そんなことを思う自分を否定もしない。なんだかただぼんやりしているだけ。泣いていた自分はいない。傷をなめた自分もいない。ただ目の前を見るだけ。世界を粉々にできるバクダンが手の内にあったらきっと使えるだろう。
言葉をもたない生き物だけ助けられる場所があったら
いいのにね。
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2005.04.14.18:33
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