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質量=1
すなわち、どれほど冷たくなろうと励んでも。
もう何もかもあるがまま認めて受け入れていくしかないのだと覚悟しても、いちいちくだらないことに足を取られてそのたびにそれを嘆くのではなく、足をとられた地面の凹凸なんかに構うまいと。転んだって何だって次の瞬間に忘れて歩いていくしかないのだと、視線を落として悟ったようなフリをしても。
それでも私は、決められた以上に固くも柔らかくもなれない。
私が無表情になればなるほど、その反対側でひとの言葉に表情に、指の動き一つにも神経敏くしていくのはあなただ。
私が無関心になればなるほど、あなたはその裏側で全身の感度を振り切って刺激に震えていたんだ。
Read More... 私は私である以上のものになれない。
貴方を振り切れたと思ったのは間違いだったのだろうか。
それともあの人が貴方を私の前に押し戻したのだろうか。
あの人の手は崖っぷちをふらふらしていた私に差し伸べられた、最後の憐憫から生じた慰撫だったのだろうか。
私はそれをそれと知らずに手離したのだろうか。
留めてはおけなかった、
私の手の内にはどのみち留めてはおけなかった。
私は、今では、
貴方に。
貴方になれたらいいと思うのです。
貴方になれたらば、私はどんな途上でも心穏やかであることができるように思う。私は、誰のためにどのような不条理な目にあってもこんなすてばちではなくやけっぱちではなく、穏やかにそれを受け入れることができると思うのです。
私は、
何もわかっていないのだと。
貴方にも心どす黒くなることはあるのかもしれない、それならばいっそうそんな時に側にいたい。
けれども、私は、貴方にも。
あの人とも。
あなたが裏側で泣いている。
その声がいつも鼓膜にぶつかって煩い。
振り向くとその拍子に私たちは回転して、あなたがオモテに出てしまう。
だから私は前を向いているしかない。
あなたが裏側で泣いている。
私にだけ聞こえる。私だけが感じる。
何をおもって泣くのかも、私は知っている。
何もないところを睨んでも、目の前は晴れない。
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2005.02.14.18:06
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