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不幸比べ
不幸なことに」僕にはこういう事が初めてではないのだ、実に不幸だ。
「不幸なことに」君はそんなに遠い処で恋をしてしまった、なんたる不幸だ。
「不幸なことに」僕はなんでか君に出逢った。これを不幸と呼ばずしてなんと呼ぶのだ。
なんと呼ぶのだロウ。
私ならこう呼べる。
ただの、偶然だったのだよ。グーゼン。
「偶然」貴方は此処を選んでしまった。私は「偶然」貴方の選んだ其処に居た。だけ。たったそれだけ。それだけでこの混沌が生じただけ。それこそが不幸だ。それを不幸と呼ばずしてなんと呼ぶのだ。
Read More... なんと呼ぶのだロウ。
貴方ならこう呼べる。
宇宙の神秘が起こした奇跡だよ。
あの人ならこう呼べる。
アクシデントだよ。
ただの悲劇だよ。
こんなふうに何もかもに言い訳つけなくちゃいけないことこそ、まさに不幸だよ。貴方を、殴って済むのならいくらでも殴るでしょ、私もあの人も。だけど「不幸なことに」貴方に何も悪いところがないから、それで誰の気も済まないんだ。
ラクになれるのかもしれない、貴方はラクになれるかもしれないけれど。私が奪取してもいいんだよ、いっそのこと私があの人を奪取してもいいんだよ、だけど「不幸なことに」私があの人を何処かへ連れ去ってしまう理由をまだ与えられていないんだ、それに私は、「不幸なことに」あの人に指一本触れるのも厭だよ。
貴方の触れたあの人に私が指一本触れるのも厭だよ。
いっそのこと貴方がくるりと半回転してくれてもいいんだ、そうしたら、いっそのこと踵を返して、ジョォクよーん、とかおちゃらけながらスタスタ歩いて行っちゃってくれたらば、不幸なりに私は。不幸に浸る間もないほどに私は。
呆気にとられてからその後ろ姿を突き飛ばしたりできるんだよ。
そうできない貴方の真剣味を不幸と呼ばずして、なんと呼ぼうか。
なんと呼ぶのだろう、この眸。
この先の私がいつかこう呼ぶ。
ウタカタ。
ホウマツ。
ハカナキの喩え。
貴方の眸を。
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2004.05.01.20:58
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