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醜悪と尾
ヤモリがいた。
尻尾をぶち切られたヤモリがいた。
たぶんうちの猫さんにやられたんであろうと。
すぐ側に切れた尻尾が転がっていた。でれんと。
血が少しばかり滴っていた。
絨毯にへばりついて動かないヤモリの尻尾の付け根の部分にも血が滲んで、灰色のヤモリと灰色の絨毯のうちに、その一点だけがぽっつりと紅くて、美しくはなかった。決して美しくはなかった。
絨毯にへばりついて動かなかった。
Read More... 身を守る為に何を諦めるべきか、きちんとわかっていて凄いわ。偉いのだわ。
大事なものを守る為に見捨てるということを知っているのだわ。偉いわ。
血を出して痛みに耐えている。
夜が更けたら動き出すのだろう。
そうしてどこかに行ってしまう。
私にはできない。
できなかった。
尻尾切りができなくて、腐った尻尾をひきずって歩いている。
すっぱり、切り落とすということができなかった。
あの時のツケを抱えて歩いている。
さりながら、
尻尾を再生してしまうのだね、ヤモリ君は。
それなら私も、一度切り落とし、また再生し、切り落とし、再生し、の繰り返しなのだろうか。
まぁどっちでもいい事だやね。
尻尾自体が問題なのだからね。私の場合。
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2004.03.30.22:56
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