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散らし ふみ
ああ 飛行機に 乗りたい。
雲の上のあの空が。
人は生きているうちに雲の上の空なぞみてもよいものかしら。
と思った、若かりし頃のあの気持ちを忘れた。
人は生きているうちに雲の上の空をみてしまった。
だから私はもういつ死んだとて文句など言えない。
と思った、はやっていたあの頃の気持ちを、忘れた。
Read More... 飛行機に乗りたし。
ぐるぐるといつまでも飛んでいたし。
誰もが風邪をひくこんな冬の数歩手前で、
腹を押されて赤い胎児の屍骸を産み落す、医者は、
もう何年間も、貴女の子宮の中で死んでいたのです
死んだままで、もう何年も
と。
暗闇の中で聞こえるはずのない声の、当然のように聞こえてくることに恐怖を覚えたのではなく。
それが恐ろしいと感じることによりその怪談が完成するのだという意識によって、恐怖を自ずから作り出す。
部屋の隅の仏壇におもむろに気づいたようなふりをして。
頼るほど辛くはない。
忘れてしまうほど、楽しくもない。
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2003.11.15.23:05
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