2003 / オハナシ
道行走行【みちゆきどらいぶ】
苦しいことは多すぎる、楽しいことなどろくにない
そしてもう私の一番しあわせな時は、過ぎてしまったのだと知れている
中洲審判
目の前には紋付き袴の人がいた。三人、地から生えたように座っていた。
真ん中に大男、その左に老婆、右には少女。水の流れる音がした。
天井に敷布 胎内に梅花
この部屋中の、梅の夭折。
毎晩降り積もったこれが、どこに消えたか貴女は知るまい。
2003 / オハナシ道行走行【みちゆきどらいぶ】 苦しいことは多すぎる、楽しいことなどろくにない 中洲審判 目の前には紋付き袴の人がいた。三人、地から生えたように座っていた。 天井に敷布 胎内に梅花 この部屋中の、梅の夭折。 |