2004年7月
■ ノック・ノック...2004/7/1 (Thu)
私です、私
もうなんねんも貴方の扉の前に座り込んでいる
貴方ののぞきあなのとどかない位置にいる
私です。
私。
もうなんねんも、扉のまえで息絶えている。
私です。
■ キュル膚の君...2004/7/5 (Mon)
腐れ!
腐れ!
腐れ!
あのどろどろの灰色の頭たち、
べらべらと端からおちる手足たち、
その中から現れる幾万の君、
腐蝕の裡より現れる幾万の君よ、
腐れ。
■ すみすり...2004/7/7 (Wed)
真っ暗のなかにいきづく
暗闇に眸をひからせる
私の右の目は貴方に捧げた
貴方の左目は私が奪った
私の左目と貴方の右目が向き合って呼応する
直線で
明日になったら
またそれてゆく
■ 向日葵...2004/7/20 (Tue)
小さな細い吹けば落ちそうな散りそうな花が
貴方だった
その花を守りたくて庇っていた
包み込んでいた
一歩遠ざかると貴方は大輪のなかに埋もれて
どこにいたのかも 思い出せなくなり
誰であったのかも 意味がなくなり
■ はな一輪...2004/7/22 (Thu)
何も残っていない
貴方と立っていたあとに
草一本生えていない
影すら残らない
土も窪まない
■ R..and the truth...2004/7/26 (Mon)
貴方を
愛したのだとおもっていた
貴方を
誰も為し得ぬほどに
戴いたのだと思った
間違えた
| 2004 / 片鱗 |