2004年4月
■ 神の肩に...2004/4/3 (Sat)
すがるなかれ
■ 剣を心臓に...2004/4/4 (Sun)
突き立てても言う、半身は言う
私は強い
慰めは要らない
救済は要らない
審判は要らない
特赦は要らない
私は頼らない
貴方よりも強い
言う半身は、確かに私より強くたくましく、何物にも負けず、
けれど半身は半身に敗れる
自身を打ち伏せることができず、切っ先で己が胸を突く
■ ながれる...2004/4/5 (Mon)
貴方は強くなれませんか
私は甘くなれませんか
川をくぐるのはもろもろの事情
水をさえぎるのは唯ひとつの我が儘、なのです
貴方は酷くおなりなさい
私は脆くなりましょう
■ 崖下にて...2004/4/18 (Sun)
貴方が何を為そうとも為さなくとも
決して失わないのだということ
いつだろうとどこだろうと
私は
貴方にこの胸切り開き心臓を捧げる覚悟でいます
■ 眉と土...2004/4/18 (Sun)
何が起きても私は乗り越えることのできる、
勇み足なり 忍び足なり
何ものも私は乗り越えることのできる。
私が乗り越えられないのはその窮地
貴方の前に立ちふさがるその火炎
貴方をやいているその火炎
貴方にその表情をさせる
貴方にその苦しみを生む
その火炎
私は鎮めることのできない
■ ドラウン...2004/4/25 (Sun)
浮いていたけれど必死だったと
水面下で必死に足掻いていたのだと
足に幾万本、
腕に幾万本
網が絡まって抜け出せなかったのだと
言って。
■ 屍化粧...2004/4/27 (Tue)
今日も今もこれまでもこれからも
貴女の頬に紅はさしません
貴女の唇に紅はひきません
ただ膚の色をして、待って、
真実朱いものがおちるのを
待って
貴女の頬と貴女の
唇に
■ オオカミのくち...2004/4/28 (Wed)
信じるんぢゃないよ
私の言葉は嘘まみれ
騙されるんぢゃないよ
鏡に映して御覧よ
美しい正体が見られるよ
それからまた現実に振り返りなよ
目を覆いたくなるほど醜いリフレクションだとか
そんなものが
貴方の眼を潰す
潰すから
■ すべて本音...2004/4/30 (Fri)
どいて。
どかないで。
そこにいて。
やっぱりどいて。
いなくなって。
やっぱりそこにいて。
どかないで。
血で強請られても、そこにいて。
| 2004 / 片鱗 |