2004年12月
■ 憎々しくて愛せない...2004/12/2 (Thu)
つらいです とても
苦しいです
貴方は
貴方はどうですか
貴方は大丈夫?
■ わびすけ落花...2004/12/2 (Thu)
あなたは開いた瞬間におちてゆく
私は葉陰からただそれを見ている
地に触れて
何もかも忘れて
あなたを踏みしめて
歩き出す
■ それは理想...2004/12/2 (Thu)
そうであれば良い。
そうであれば良かった。
■ きわみ...2004/12/3 (Fri)
どうせなら切り裂けばよかった
くるぶしまで血に浸るほど切り裂けばよかった
誰もが私を責めらるほどに明確に
理不尽に。
人間味なんていらなかった
■ いまひとたび...2004/12/4 (Sat)
雪灯籠。
眺めていれば美しいだけだった
触れないでいればあたたかなだけだった
けれども倒した。
踏みつけて雪は泥混じり
守られていた炎も死んで
冷たさばかり足元に残って
ぞわぞわと胸元に這い上がってきて
刺すような冷たさばかり
■ すすきのはらを...2004/12/5 (Sun)
醜い猿がいく
■ でもそのこは...2004/12/5 (Sun)
たすけてほしいだけなんだ
ほんとうに。
■ 迷い子は羊じゃない...2004/12/12 (Sun)
誰か僕を知りませんか
どなたか私を見ませんでしたか
気づかないうちに懐から抜け出して
あのひとについて行ってしまった
僕を知りませんか 私を
見かけませんでしたか
どなたか
■ ふたご...2004/12/15 (Wed)
ねえさんの醜さを厭いながら僕は僕自身の醜さを厭いながら
ねえさんの哀しみを感じるから僕はやっぱりねえさんを袋に詰める
背中でかばうのか隠すのか わからない
ただねえさんを世界から守りたくて必死だ
ただねえさんを世間から隠したくて必死だ
■ 贖罪...2004/12/18 (Sat)
私がどこまで堕ちていっても腐っても黒くなっても
ばけがくに救いを求めるようになっても
鼻で笑ってきたひとびとの一端になっても
それでも、
私はアナタを助け上げなくちゃいけないんだ。
私はアナタの気の済むように現実がアナタに警鐘を鳴らすまで
アナタの上に虫ピンつきたてるまで
そうしてアナタがもう一歩も進めないところまで追い込まれても
それでアナタの気が済むのなら私は、
アナタにそれをさせてあげなくちゃいけない。
そのせいで私が今まで鼻で笑ってきたひとびとの一端になろうとも
二度と抜け出せない暗部に、のまれても。
アナタを殺せない
アナタを見逃せない
アナタの気が済むなら。
押さえつけて泣き叫んだ私の片側、もうこの手を離します。
だからどこまでも行ってしまうといい、それで気が済むなら
私が今度は一歩退きますから。
■ 免罪...2004/12/27 (Mon)
誰に赦しを乞い誰の血を洗い
誰の心臓を握りしめているのか
止まらなければ彼は死なない
あたためていれば彼は死なない
そうしたら罪を問われない
失った彼の身体は
切り開いた彼の身体は
ふるった刃は
断末魔は
傷は誰が縫い誰がとじ誰が癒し誰がふさぎ
誰が貴女を赦しますか
誰が貴女を裁くのですか
| 2004 / 片鱗 |