2001年1月
■ 白無垢...2000/12/31 (Sun)
疑問の掲示
示す短刀
腹かっさばいて血を出して
身体が空になる
何もなくなる
そうして
■ 降る...2001/1/2 (Tue)
怒り
驕り
憤り
沈んで沫ひとつ
落とされて千の岩
芽生える
浮かぶ
この血に誓う
失せたひかりの代償の闇
■ 満ちる...2001/1/6 (Sat)
満たせず癒せず
楽にしてあげることもできず
優しさもあげられない
私にしてあげられない
だから自分で何とかしないと
■ ぽつりぽつり...2001/1/8 (Mon)
ちいさく
ちいさく鼓動を続ける
誰にも気付かれぬように
誰のこころにも傷を残さぬよう
言葉がとがることしか為さず
こころが疑うことしか知らず
私は使用を誤った
いちばん大切にしていたものの
■ ひとつのおわかれ...2001/1/9 (Tue)
人知れず、静かなお別れ
ひっそりと、目に見えぬ足下の哀しみ
二度と直には言葉を交わしますまい
けれどあなたを大事に思います
今までよりもずっと強く
そしてかたく
■ 雪と違いの塵...2001/1/10 (Wed)
呆れられたらばきっとつらいだろう
だけどそうしたらたぶん
もう誰にも何も期待なんてすることはなくて
今よりきっと
それでも少しは 楽 になればいいけれど
もしかしたら
■ でのん ...2001/1/11 (Thu)
他人の中に自分を探して
破片を見つけて感動したり 躓いたり
忙しい
情けない
鏡に映すしかない自分の顔
その裏のこころは
私のものでしょう かな
■ なんどめかの...2001/1/12 (Fri)
別の方向
別のやり方
塗った紅い色
瞳孔の花
青く白く
呼ぶ
叫ぶ
融合性
■ 瞳...2001/1/14 (Sun)
沈黙の一本
突き刺さる一本
かき探る一本
包み込むふわり
ふわり
翠色のふわり
貴方の光
■ かつんかつん...2001/1/16 (Tue)
こつ、と跳ね返し
がつん
少しよろめき
転んでも重くて沈んでも
負けない
これに負けない
■ むらさき...2001/1/16 (Tue)
風の隙間に光を聴いた
おかえりなさい
■ さんき...2001/1/18 (Thu)
こころが
いろいろなところから飛んできて
独りぼっちを包んで隠して
あたたかい。
ありがとう。
■ 呼んだらばそれに応えて...2001/1/18 (Thu)
こい
そうと見えるもの
夜の闇の深さを知った
地球に放り出されて
怖かった
ひとりきりだった
■ おふとん...2001/1/19 (Fri)
ひとのこころの陽溜まりの
ひとのあたたかなおひさまの
かおる
■ ちのあか...2001/1/22 (Mon)
やける
せまる
こわい
だましてふりをして、終わらせてしまおう
■ わたしはわたしの...2001/1/23 (Tue)
わたしはわたしの文章を
誰にも譲る
気はありません
■ エヴァ...2001/1/23 (Tue)
のりこんで叫んでつぶされて
おいて行かれて残された
拾われる
また繰り返す宿運の
浅い夢の消えぬこと
■ くら...2001/1/25 (Thu)
黒の中に
ぽつり
あわく
光れ その髪の
■ ちから...2001/1/26 (Fri)
ぐにゃり と
のびるもへこたれる
しろくこまかく
雪のような顔をして
けれど途絶えず
決して地につかぬ
■ ぴかそ...2001/1/28 (Sun)
人に心の中を悟られるのが怖いから
かたちはどんどん抽象的に
まるくなり
とがり
ぼやけてにごる
■ 事故中...2001/1/28 (Sun)
なんでもかんでもじぶんのことだと
思ったら ば 大間違い
だから
元気をだそう
■ あく...2001/1/30 (Tue)
しろいたまごのおもてに
ちょうこくとうでするりと刻んだ
名前
血があふれる
■ 始まりのないほど遠い昔から...2001/1/30 (Tue)
抱える矛盾こそがその証
悲しみは我々に残される
彼らのために
| 2001 / 片鱗 |