« 2004年04月21日 |
メイン
| 2004年04月24日 »
フコウそうな長袖。
愛す「る」。
無理をしないでもういいよ。
輝け輝け輝けよ君。
身体の底で眠らせているものを起こしなよ。
身体の其処で眠っているものを起こしなよ。
疼く「る」。私が此の世のものでなければ、君の腹のなか、肘までつっこんでそれを、起こしてやれるのに。
愛す「る」。こんなふうになる以前の君のふりをして笑ってみたらば、少しばかしはにかむような、必要以上に決してシアワセひけらかさないような、あのささやかな。
貴方の真似をして笑ってみたらば、貴方が笑ったのを間近で見たような錯覚で、錯覚なりに、シアワセだった。
今日も逢えない のでしょうか。
Read More... あ。
と思って顔を向けると、まさに貴方が顔をそらす刹那だ。
視線をはずすのが一瞬早いよ。
未練ってものを知って頂きたい。
動作の一つ一つにいちいちつけているケジメ。
忘れて頂きたい。
誰かが君を呼ぶのを聴いたので、のたくたと頸を向けると。
頸を、
眉も襟足も受け口も、癖になっている膝の動きも、五分袖の肘の下、眉も、影も、貴方の頬に落ちる影、焦燥を知らないような顔の、まるで歯も食いしばらない顔の、穏やかな。
穏やかな貴方の。
私の海は、鎮まりかえる。
今度は私が鎮まりかえる。
指ひとつ、顎一度、呼吸の深さすら変えられない。
動かせばそこから凪が崩れるのだと、海面のすぐ下の荒れ狂う水流が、押し流すのだと、何もかも流し去るのだと、知れている。
貴方が、どん底でも絶頂でももうどうでもいいやね。
一緒に行こう。
行こうじゃん、どこまでも。
ぴったり貴方の横について走る。
先導も後衛もしない。
どこまでも貴方に並んでついてゆく。
疾走もしよう。
惰性に流されて立ち止まりもしよう。
私がそれに付き合うよ。
いらなくなったら、足ひっかけて転ばせて、振り返らないでそのまま行って。
そういうやり方で、充分なんだよ。
私なんだから。
Close...
2004.04.22.21:11
| トラックバック (0)
|
ワレを。
我を失っていたの、私のほうだった。
理性をすっとばしていたの、ずっとずっと私だった。
泣き叫んで転がっていた。
そういうことをしたのはこれまでずっと私だった。
貴方は、その身体貫いた刃をかかえて立っていた。
身じろぎもしないで、正面向いて風を受けていた。
貴方は。
胸から背中へぐっさり、その身体貫いた刃をかかえて立っていた。
表情動かさず。
身じろぎもせず。
何も口にしなかった。
弱音も強がりも何も。
Read More... 大丈夫?とか、
歩けそう?とか。
何を聴いても叫んでも、強がりも言わなかった。
何も言わない身じろぎもしない、表情が、動かない、それなのにぼたぼた、ばたばた、紅い血だけが流れ出ていた。貴方の足元に落ちた。ばたばた、土埃舞い上げて、血が落ちてきた。
私はものすごく怖かった。
刃を受けたのは私じゃあないのに。
傷を抱えたのは私じゃあないのに。
見ているのはものすごく怖かった。
貴方を、見ちゃいられなかった。貴方を受け止めなかった。
余計な手を出して、ぐらぐら揺すぶって、貴方に刺さった刃はがくがく揺れて、貴方はますます血を流したよね。
それでもやっぱり弱音も強がりも言わないままで、見ている私は、半狂乱で、殴りつけたりしていた、泣いて泣いて泣いて泣いて挙げ句に声も枯れて、足元に丸まった。貴方から落ちてくる血だけ受けていた。
貴方を、
貫いていた刃が、背中から突き出していた刃が折れて、胸にも残っていた柄が折れて、
貴方は、
身体の中に刃を隠したままで、飄々として、また動き始めるのですか。
頬に受けていた血の滴、感じなくなって目を開けた私に、優しげに振り向いて、また動き始めるのですね。
私は。
私は?
何もできなかった、
それ以下だった、
貴方を見届けるだけの勇気にも挫けた、
一人で騒いで貴方を余分に傷つけた、
私は ?
Close...
2004.04.22.23:58
| トラックバック (0)
|