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へんねし
身体がかっとした。
頭ががんがんした。
視線を据えたままでだくだくと泣いていた私を彼女が引き取ってくれた。
私は他人のものを遠くから眺めるのがすきだ。
とうてい自分が所有できそうにないものを、遠くから憧憬するのがすきだ。
誰のものでもないものはコワイ。途中から他人のものになるのはコワイ。自分が傷つく。今までずっとそれでうまくやってきた、「つもり」。
Read More... もうやめようね。と彼女に言われた。
何の未練もなくそれに同意した。
もうやめる。
最悪のところは過ぎたのだと思った。非道いところは通過したと思った。ココロだけ勝手に高みにのぼって身体が追いつかなくて、無駄に上がった分を降りてくるだけなのにそれはやっぱりココロには酷な事で、自分が上がって自分が降りた距離をがっかりしている。そんな無駄な労力の揺り返しが、まだまだあるけれども、それでも、一番非道いところは、あそこだったのだと。もう過ぎたのだと。
思っていた。
けども、まだだった。
此処がそうだった。
自分の理性で止まらないものが私の中にある。ほんとに、「泣くくらいなら見なきゃいいのに」と、自分でも思う。
消え去ってほしいと思った。あの人たちまとめて消え去ってほしい。初めからどこにもいなかったことにしてしまってほしい。悪い夢でも見ていたのだと誤魔化して。
もうやめようねと彼女が言う。
あの人たちが揃うところに私も居たくない。
もうやめる。
三ヶ月も音沙汰の無かったしるしが身体に生じる。正気に戻ったのかな、と一瞬思ったけれど、それは正気のせいではなくて、私の中に渦巻いているこの感情が頭に自分が何であるかをありありと思い出させたからだと、そう知った。
敗退かもしれない。
たぶんそう呼ばれてしまう。
でももう厭、もうやめる。
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2005.11.07.19:30
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