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10本の剣
シアワセさんの夢がうやむやになったのはアラタさんのおかげだった。アラタさんがうやむやになったのはシアワセさんのおかげで。今シアワセさんをうやむやにしようとアラタさんに逃げを打とうとする。アラタさんがもう私にとって凶器にならないということをココロは理解している。賢い。
アラタさんはもうツルギじゃない。
あの人はもう刃を持たない。
易しいだけになってしまった存在の、扱い難くもなんともなくもうココロの隅にでもどこにでも放っておける。私は躓かない。
Read More... シアワセさんを、これからどうするか考えている。考えながらもやっぱり、あの時に突き刺さった10本の剣は私の中から抜き去られたと思う。そこで薬を差しだしてくれなくていい。私の治癒力に任せてほしい。薬を差しだしてくれなくていい。
これからどうなるのか知らないし、たぶん私はいつものように動かないままでだからどうにもならないのだと思う。もしもどうにかなったなら、いつかシアワセさんにあの夢を話したい。
私が貴方の肩に頬のせた時、私の頬骨が貴方の肩にまるでパズルのピースのように、かっちり綺麗にはまったのですヨ。
って。
その夢のあとさんざ悩んで、もし貴方に同じ空気を吸える場所で出逢うことがあったらば、それからどうする?そう運命さんに問いかけ続けたことを。
運命さんがどんな答えをくれたのかは、もう忘れた。
貴方にほんとうに出逢うと思わなかったから、普通に忘れた。
少し残念。
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2005.11.04.23:59
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