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標本
喉の奥に、こんがらかった黒い糸のように、ほとばしりたがるものと、ひきとどめようとするものと、そのそれぞれに加勢したがるものと、そんな様を傍観したがるものと、が、居る。
明け方に必ず一度目を覚ましては、その名を想う。
喉の奥の黒々とした糸の塊を、冷たく見つめる。
いつかそれを飲み込んでしまうことを知っている。
それを待つしかない。今は待つしかない。今までにそうやって飲み込んできた糸の塊で、身体の中はぎゅうぎゅうになっている。
Read More... 私はアナタを走らせるわけにいかないんだ。みっともなさは、私の一番厭がって悔いるところのものだから、アナタがうかうかと走り出して、その先でどこにも辿り着けずに足を止めるのを、黙ってここで見ているわけにいかない。一緒に歩くことを説得もできないのなら、此処で心臓突き刺して捨てて、いくしかない。今までもずっとそうしてきた。私の通った後に、私がバタバタ倒れている。私に殺されて私に捨てられた私がバタバタ死んでいる。
正体の無いものを目指して走るなんて、莫迦らしい。
後で悔いることは目に見えている。
いつか足を止めることも決まってる。
ならば走らないほうがいい。
どんな終焉も「然るべき」と評されるのが私の現実で、アナタの憧れている世界はあり得ぬ奇跡の結晶なのだから。
私は私。
有り難いことに、それ以上でも以下でもない。
あと数ヶ月で、何もかもがこの掌から消えて無くなる。
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2005.10.26.14:31
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