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憐れみのココロ
そんなふうにしか僕を慕えないのはあなたがほんとうに気の毒です、
そのように受け取れる態度に触れて、ムキになっていや、そんなことはありませんよもう私はその点振り切ったのです、と否定する気も起きなければ、そっちからどう見えようと私はこれでけっこうシアワセ、と我を張る気力もなければ、ああそうだな。気の毒か。そんなふうに思ってくれてありがとう。
と、僻みでもなければ悔しくもない。
ただ雪灯籠のように私は嬉しいと思った。
その気持ちだけの純粋な、ありがたみであると思った。
Read More... その人がおごりからでもなくて当てつけでもない、ただ純粋に、私がもがいて足掻いてばたばたと醜悪を演じて、そのあと抜け殻のように眠り続けたのを気の毒とみてくれたことが、私にもひんやりと伝わってきて嬉しかった。
気の毒に思うとか憐れみを感じるとか、そういう感情は傲り高ぶりの産物であると毛嫌いしていた。けれどそれはもしかすると、ひとがひとを同じ地平に立って慈しもうとするとても根本的な何の混じり気もないきれいなおもいであるのかもしれない。
と、そんなふうに考えた。
それもあの人の冬のように澄みきった人柄のせいであるのかもしれない。
摩周湖に廃油を流し込むようなやり方でしか、あの人を慕うことのできなかった私の仕様はほんとうに、そこからひとかけらの憐れみを誘き出すにはふさわしかったようでなんだか、もう涙も出ませんし。
一度抜け殻にはなったけれど、そこからまた違う次元で私はカラになったのです。
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2005.01.31.16:35
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