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百八歩
いったい私は今まで、その返礼としての優しさへの期待を無しに、人に優しい言葉をかけたことはあっただろうか。
いいや。
だからこれからその窓を塞ぐんだね。
そうだ。
だからこれからこの道を閉じるんだ。
眸を閉じると同時に、瞼を開くんだ。
今まで見たものをもう二度と見ない決心と、これからは目の前にあるものだけを見ていく決心を、同時にするんだ。だから顔を上げるんだ。きつくきつく上だけを向いて行くんだ。隣に誰が立っても、もうその人の顔に視線落とせないほどに、上だけを向いていくんだ。
2005.01.12.22:00 | トラックバック (0) |