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アナタとしか歩けない
彼がどのような大義をもってして私を排除したのか今ではなにとなしに、言葉にすることのできるほど明瞭でなくとも、なにとはなしに、私には知れるような気がする。
様々な意味で私はあの時確かに撃ち倒された。
そしてその結果として今の私があるのも事実だと思う。
それでいいのだと思う。
感傷的な心を誇りに思うなということなのだと。
感情に流される心を満足に思うなということ。
Read More... 涙を恥じろと。
自分の弱さを恥じろと。
弱みを持つことを恥じろと。
感情を捨てて無機質になっても強くあれということ。
優しさに裏付けされた強さなんかを手に入れようと思うなと。
何も感じないままでいろ。と。
もういっそ何も感じるなということ。
どうのこうの言いながら世間に対する期待が大きすぎたんだ。それこそが世間からしてアナタを「異常」と言わしめた所以だし、必要以上にいつもいつもがくがく躓いた所以だった。
アナタはもう、目の前にあるものだけを見つめていけばいい。目の前にないものを頭の中に思い描くのはやめて、考えるすらやめて、見るだけにして。目に映るものだけを見るだけにして、それ以上のことに考えを及ばせずに生きていけと。
優しさなんて持ってないのだから、強くはなれますまいよ。
それならただ無機質でも、自分の殻を固めればいい。
他人と自分の境界、間違えないように何よりも堅く作ればいい。
その内側は私とアナタだけのもの。誰も理解しない。
その外側は他人のもの、私たちは知らぬ存ぜぬでいい。
他人を理解なんてしようとしなくていい。
気持ちを汲んだりする必要もない。
自分の中に弱みを作らない。
泣いた時は負けたときと思って、決して泣かず。
まるでそうであることが自分にとっての正義かのようにそれに縋って慰められた。
御泪。さようなら。
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2005.01.07.22:27
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