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視線免除
何が無くたって死ぬほどじゃない。
そう言える。
貴方を乗り越えて今がある。
誰をも失って今がある。
隣に誰も立っていなくても、先を行った人の後ろ姿ばかり見えても。
痙攣しているのは過去ばかりではないので。明日はまだ目鼻揃わない胎児の顔をしている。次々に切り捨てていかないと歩みが遅くなる。人に遅れるのは構わない。自分の予想を下回っては、底が無くなる。
切り捨てていかずに生きてはいけない。
痛みはあるし血だって流れ出る。
だけど無傷の身体で何もかもを引きずって生きてはいけない。
同じ理屈で、あの人は私を切って捨てたのだと思う。
だから責めたくはない。
少しでもあの人から血が流れたのなら、それに手を浸して指先あたためたい。
そして責めたくはない。
2004.10.01.20:52 | トラックバック (0) |