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for リサイクル
忘れた、誰を。人を?時間を。過去を。記憶を?私は?
貴方は?
そして、何故。
貴方が忘れる筈のないことを私が知っている。
薬でも使わないと忘れられない。
自惚れて言うのでも傲慢でもない、思い上がりはもっと違う、何故なら貴方がツラかった夜だから。いちばん辱められた夜だから。屈辱にまみれた夜だったから。私は、偶然そこに居合わせただけ。貴方を見届けただけ。
あの悔恨を、薬でも使わないで、忘れられないでしょうに。
Read More... もっとおもしろいモノが見てみたいのだと言った。もっとおそろしいモノを目にしたいのだと、貴方が言った。ヤケになっていた。人間でない形の何かおそろしい何か、そんなものを見たいと言った。人間の形をしたものを見たくなかった?そうやって目をそらしたかった、本当にそれだけ。
単純。
単純なところに一途な悲壮感があって、君は実に簡単に泣いた。
私は引き留めたかったのだと思う。多分。
私は貴方が足をかけた時から、きっと頂点でこの人は飛び降りてしまうのだろうな、と。飛び降りない選択肢も勿論あるけれど、結局はこの人は、飛び降りてしまうのだろうな。と。
引き留める手段は私に無いことを知っていても、引き留めたかったのだと思う。ムリだと始めからわかっていても。
だから一緒に並んで観覧車に乗ってみた。
貴方がもしも、誰かにかじりついて頂点をやり過ごせるのならば、それが誰でもいいのならば、私でもいいんじゃない?の、かと思った。貴方は私にかじりついて一度やり過ごした。私たちはゆるゆるくだりにはいった。
エイエンに回り続けるのだということを忘れていただけなんだ。
貴方が飛び降りるまでエイエンに回り続けるものだったんだ。
貴方にはそれしか、地上に降りる手段がなかったんだ。
降り方をそれしか知らなかったから。
私は引き留めたかった。
多分。
何もできないことがわかっていたけれど、私は何もできないなりに、側にいたかった。
貴方が飛び降りてしまって私は、ここからどうやって降りたらいいんだろう。
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2004.09.14.19:18
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