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ポカリ
何もが不思議ではなくて、なぜ不思議ではないのかも、不思議ではなくて。
あの人に私は問うた。
なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなのかと、幾百回、幾万回。あの人に投げた。自分自身に詰め寄った。なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜあの人だったかと、幾万回、幾億回。
答えが出ずに、そのことに対してもまた、なぜなぜなぜなぜなぜなのかと。
あの人はまるでスフィンクスの口からこぼれ落ちた謎のやうだった。
僕をそこにとどめた。
Read More... 自動詞となる「なぜ」のおそろしさ、奥深さ、底暗さ、そーゆーものを僕は知った。時間をかけて知った。何に対しての「なぜ」なのか、もうわからなくてさ。誰に対しての「なぜ」なのか、どうでもよくてさ。そこんとこにこだわって振り向きもしなかった僕の後ろを歩いていった人々のことを僕は今悔やむんだ。
たぶん僕があれ以来初めて振り向いて、眸を合わせることのできたのが、君なのだ。立っていたのか知らない。行き過ぎるところだったのかも知らない。だけど君はなんだか上半身死に体で、足だけは地面を踏みしめてちゃきちゃきとしていて、なんだか、僕はなんだか参ってしまった。
そういう生き方もあるのだなと思った。
ムリに強がらない。ムリに沈まない。感情のままに浮き沈み、浮き沈みしながらそれでも足は地面を踏みしめている、立ち止まらない、そういう生き方があるのだと思った。感情を制御しようとしない。感情に理性を付き合わせてゆく。沈みたい時に浮き上がろうとしない。水面に在る時に水底を畏れない。
そういう生き方があるのだと思った。
見ていてとても疲れた。
そのついでに惹かれた。
「なぜ」と一度も思わずに見ていられた。
顔を正面向けたらば已然そこにある「なぜ」を忘れることができた。
そーなんだ。
僕は首をねじってるんだ。
だからけっこう苦しいんだよ。
長くは決して、続かないんだ。
いつかまた正面を向いたらば、僕はエイエンの「なぜ」と対峙して、後ろで君は、歩いて行くのだ。どこか遠くへ。
僕はエイエンに「なぜ」を解けなくて。
君もどこか遠くのほうへ。
君にも君の正面があるからそこを見つめて。
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2004.06.07.23:20
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