恋ヒシカルベキ

日々是好日も良いのだけど。目を覚ますのも、自省するのもとても良いと思うのよ。欲を捨てるのだとか、持ち物を捨てるのだとか、底辺の自分に戻るのだとか、それは良いのだけど。

僕が僕の所有物としての君を捨てるのではない。僕が君の所有物としての君の中の僕の存在を、捨ててくれと乞うのだ。

（ちょっと待て、わけがわからない。）

私、見たことがない。

のだと言った。
外科室なんて見たことがないからわからない、と言った。
まったく違う場所のことを話していたのだと、後になってわかった。莫迦みたい、だとケラケラ嗤った。風景なんてどこだって同じに見えるもんだね、と。君が居ようとも、君が居まいとも。

僕らきっと歩いていくだろう。

続ける、踏ん張る、何もかもが自動詞となって、まるで後ろを振り返らずに、後ろに存在する同じように遠ざかるばかりのお互いの後ろ姿、歩き姿、を振り返らずに、けれど確かに意識しながら、背中じゅう感覚にしながら遠ざかるばかりの後ろ姿をばりばり意識しながら、まるで遠ざかるばかりの、それほどに多意義の自動詞となる。

Gotta keep on
Gotta keep doin' on

なのだわ。

無駄はひとかけも存在しないか何もかもが無駄だらけか、どちらでも同じ事なのだ、ケッカ。